アクティブラーニング講師藤井すぐるの「一度ぐしゃっと潰れたらいいんちゃう?」

教育コンサルタント藤井すぐるによるブログです。関西在住。

新制度の大学入試について①

2020年度から、大学入試が改変され、新しい入学試験のシステムになります。
例えば、二次試験がプレゼンやディスカッションや小論などアクティブラーニングになるとか、数学は途中式を書かせるようになるとかです。
何回かに分けて、その入試改革についての記事を書いていきます。
今回は入試改革が行われるに至った背景についてです。
 
 
この改革の主体は文科省ではなくて、経済界です。
今、日本の国力が本当に下がっています。2014年のGDPは4兆6160億ドルで世界3位ですが、問題なのは一人あたりの生産性。一人当たりGDPは3万3320ドルで、これは世界27位です。
GDPも世界3位ですが、これはアメリカの約1/4ですし、中国の半分以下の世界3位です。
 

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日本の国力の低下が本当にやばい中で、文科省主導の教育改革では国力は回復しないと判断し、経済界が「エイヤ!」で決めました。
(ですので、新制度は経営者目線で見ると最適化されたものだという意見もあります。)
この2020年度からという時間設定も「エイヤ!」で選ばれました。
同年にオリンピックもありますので、オリンピックを境に大きく変わるということです。段階的に移行させていくそうです。
 
 

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ですので、この新入試を受けるのは、2016年4月の時点で中2の生徒からということになります。
(中2の生徒はもちろん、中2やそれよりも若い年齢の兄弟がいる方は是非教えてあげてください。)
 
 
 
ではどんな風に教育観が変わることになるのか。どんな教育方法で国を立ち直そうとしているのか。
答えは「エリート教育」です。
韓国のように、徹底的なエリート教育を行って、上位5%と他の95%に分けるというものです。しかし、飛び級はまだ設定しないそうです。
その上位5%が日本を支えられるほど大きな力を手に入れられるようになればいい。上位5%の子が世界でバリバリ戦えればいい。
わかりやすく言えば、「上位5%のうちの誰かがスティーブジョブスになってアップル(これが日本を支えられるほどの大きな力)を作る。残り95%はそのアップルで働かせたい、ということです。
これは今の日本の義務教育の根幹にあたる「みんなみんな教」を捨てることになります。
(大学入試がここまで大きく変わると、必然的に高校入試も中学入試も変わることになります。)
 

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また、専門学校の立ち位置を大学と同等のものにして、職業訓練所とする(ドイツ方式をモデルにする)という話もあります。
今、中学生の高校進学率は約80%で、高校生の進路の80%は進学です。
高校生は大学生か短大生か専門学校生になるのだから、専門学校も大学と同じ地位まであげて、職業訓練所にしようという考えです。
(職業訓練所は日本の専門学校よりも堅い専門学校というイメージです)
 
 
まだ、文科省の指針が出ておらず、はっきりしていないところがあります。
今も議論されているのでしょう。
例えば、高校での成績を大学入学の判断材料とする場合、浪人してもその高校の成績が適応されるのか。大学入試が変われば、高校入試も変わることになるので、中学校での成績もつきまとうことになるかもしれません。
センター試験を廃して、年複数回受験できるようにするという当初の話は無くなりました。
(おそらく予算の関係です。年1回のセンター試験でも準備にすごい時間・カネがかかるのに、それを2回にするというのは無理な話だったのでしょう。)
 
 
次回は、新制度の新テストの内容について書きます。
では。